演技の喜びを探求する、俳優・声優養成所「ヴォイス&アクターズ道場」

吹き替えの現場で(斎藤謙一)

先月9月26日、吹き替えの仕事に行って参りました。
連絡を頂いたのは前日の朝、仕事休憩中に見たメールに驚きました。

プロの世界では、“前日や当日に台本を渡されるのは普通”と言われているようですが、
まさか自分の初吹き替えがそれに当たるとは思っていませんでした(笑)

仕事が終わって帰宅し、祐一さんからのメールチェック。まだ来てない・・少し仮眠。
20時20分にメールが来て、それから台本チェックをしました。

内容は、世界経済の流れを様々な視点から考察したビデオの吹き替えでした。
経済に詳しいわけでもなく、しかも風邪をひいて喉がやられていたので、
黙読と言葉のチェックしか出来ず、不安な前日だったのを覚えています。

現場には1時間程前に到着し、祐一さんと花組の哲さんと台本チェック。
1人複数役やると言われていたので、
自分は“声だけの表現にならないようにしなきゃ”と
言い聞かせていました。喉の状態は最悪だったので尚更です。

いざ本番。祐一さんが番組のパーソナリティ役を務め、
自分と哲さんが2人ずつ吹き替えをやることになりました。

今回、3つの課題を自分に課していました。
1.声だけの表現にしない
2.変な所で切らないで一気に読む
3.時間内に収める

1は、気持ちが変われば表現が変わるという今年の課題。
2は、祐一さんがいつも言っているプロとしての意気込み。
3は、一流のプロならこれくらい出来て当たり前という想像。

実際3に関しては、日本語の方が言葉が多いので、
時間がオーバーするのが当たり前との事。
しかし、僕がこだわっていきたいのは、
どんなに滑舌良く時間内に収められていたとしても、
実は言葉が流れていたり表現が単調なものになっては意味が無いという点です。
一流のプロならば、時間がオーバーしたとしても誤差1~2秒、
滑舌・表現共に問題なしと勝手に想像しています(笑)

コンディションが最高だったとしても、
今の僕では上記のことはクリア出来なかったと思います。
しかし、近いうちに必ずそこまで行ってやろうと思います。

祐一さんとの初共演がこんなに早く実現するとは思っていませんでした。
しかも吹き替えで(笑)
体調が最悪だったのに仕事を引き受けて真に恐縮でしたが、
今回の仕事がプロとしてのスタートだったんだと感じさせられました。

ありがとうございました!!




【祐一からひとこと】
急な吹き替えの仕事に対し、緊張しながらも
自分で課題を持って臨んでくれて
想像通りキッチリ良い演技をスタジオに残してくれて
とても嬉しかったです!おつかれさまでした。

仕事そのものが急でなくても、台本の変更や
共演者がこちらの想像とは違う演技をするので
演技プラン変更を余儀なくされたり、
思わぬ演出を付けられたり・・・
用意周到準備する時間があったとしても収録の本番そのものでは、
その場で臨機応変に対応出来る能力が必ず求められます!

毎回自分の課題を意識して本番に臨むことで
どんな条件にも左右されず、必ず出来る自分の演技の質が
確実に上がっていきます!共演出来て本当に嬉しかったです!!
また「現場」をご一緒しましょうね。

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