道場生日記をいつか書こういつか書こうと思い何年たったでしょうか?
この季節になり思っている事を書いていこうと思います。
3月も半ばになり研究所や養成所に通っている方々の進路が決まってくる頃でしょう。
上のクラスへ昇級できた人や所属できた人。
そして、惜しくも受からなかった方々。
次に向けて新しい場所を確保できた人はいいが、
見つからない人はその時になって気づくんです。
芝居できる場所がない事に。
場所だけなら探せば区民センターとかそういう所は見つかります。
でも、一緒に芝居してくれる相手は?台本は?
今まであった物が急になくなるんです。
プロになりたい、上手くなりたい!と願っても稽古できる場所がない。
結果どうしようと慌ててしまい、いい結果にならないなんて事があるかもしれません。
僕の場合は、養成所、研究所に入れたが結果所属には至れませんでした。
慌てそうになる事もありましたが道場に通っていた為
稽古できる場所は確保できていました。
芝居ができる環境があるだけでも心に余裕ができます。
大きく飛躍するためには、しゃがまなくてはなりません。
でも、しゃがむ為には場所が必要になります。
こんな事を言ったら怒られるかもしれませんが
別に道場でなくてもいいのでしゃがむ為の場所を準備をしましょう。
結局、準備していないと飛ぶことはできないし、飛ばないと夢はつかめないんですから。
【主宰からひとこと】
僕自身、毎週のレッスンや自分自身の本番で、
あれも書きたいこれも書かなきゃと思いつつ、
レッスンで細かく伝えるのに精一杯感が強くて日記は放置気味・・・
レッスンは毎週遣り甲斐あり充実してるのに。反省してます。書いてくれてありがとう。
僕自身劇団研究生最終年には舞台公演に配役されて
卒業公演も選抜公演に出た・・・にも関わらず劇団に残れなかった過去があります。
目の前真っ暗で途方に暮れました。
でもそれから一年後には映像の仕事で
その劇団の方々と楽屋が一緒だったという奇遇・・・
当時の様々なことを思い出しますが、基本的に俳優・声優というものは
いつでも不安でいつまでも勉強です。
「待つことが演技者の一番の仕事」と云われるように、
仕事のチャンスを待つ、選考に残って役をゲットすることに比べたら
台本を覚えて、相手役からどんな球が飛んできても
キャッチボール出来るように台詞を仕込んで、
お客様やカメラ・マイクの前で演じる本番は、
仕事というよりはっきり言ってピクニックに行くような、まるで「ご褒美」です。
振り返ると、僕なんかよりもずっと演技の才能を感じさせて表現が面白く、
社交性などもこの業界に向いてるなぁと感じる方がいっぱいいました。
どう考えても僕よりもこの世界に向いてる人たちばかりで凹むことばかりでしたが、
才能ある方、ちょっとヒントをもらうとグングン演技が良くなる方たちで
才能に見合ったチャンスがなかなか来ず、
いつか来るチャンスを「待てないで」辞めてしまった方が沢山いました。
僕から見たらあんなに才能豊かで実際演技が上手くて、
容姿に恵まれて明るい性格で・・・・・
うらやましい限りの人が求めるチャンスを待ちないケースを本当に沢山見て来ました。
勿体無い。本当に勿体無くその都度強く感じていました。
養成所を主宰して毎週みんなに芸能案件を紹介しながら演技レッスンしている者が
こんなことを言っちゃいけないのかもしれないけど、
僕は自分が才能があったとがとても思えない。
寧ろ自分が向いてない要素だらけの人間な気がします。
実際云われたことも何度もあります。先輩・同期だけでなく講師・演出家にも何回も。
僕にももし適性と呼べるものがあったのだとしたら、
他には何も出来ないしやりたくなかったので機会が来るまであきらめなかった。
その一点だけだった気がします
(下手な分、出来るまで練習することも含めて)。
本当にそれ以外、自分に適性があっただなんて今でもまるで思えない。
龍太郎さんのTV-CMはじめ様々な活躍を心底誇らしい心持ちで観ています。
道場のレッスン、そしてオーディション対策・本番対策の補講が役に立っているとしたら
こんなに嬉しく光栄なことはないです。
やる気あっても演じることが当たり前の場を持てず、
チャンスが来た時掴めない人は多いです。
はっきりと演技が、その場の居方が変わり前進し続けている。
そのために有効活用出来る自分であり場でありたいです。
声を大にして言いたいのは、一つの養成所からそこの所属になれなかったということは
それ以上のことでもそれ以下のことでもないということ。
どうしてもその団体でなければ演技したくないというのなら止めませんが、
実際に業界の中から見ていると、
どこの団体所属でも同じように芸能活動はしていけます。
外から見てるほどその違いはない。それがこれまでやってきての実感です。
いつだって選べて、自分が決める以外誰にも決められないのが運命です。