お芝居の稽古を長く続けていると、
技術を磨くことに懸命になってしまいがちで、
それは役者を目指す中で大切だとは思います。
そこばかりに目を向けていると、
他の事がほったらかしになってしまいそうになります。
相手の話を聞く、反応する、相手に伝える。
自分はどうしたいか、相手をどうしたいか。
お芝居になると技術やテクニックに懸命になり、
日常生活で当たり前にやってることが置き去りになる。
これはいくつになっても気を付けなきゃいけないなと思います。
振り返った時に、聞いていたつもり、反応していたつもり、
と言った”つもり”にならないように。
ちゃんと耳(聞く)と口(伝える)と目(アイコンタクト)を使って、
お芝居をしていきたいです。
【主宰からひとこと】
日常生活の当たり前を意図的に表出する難しさ面白さ。
演技レッスンで目指すものもまさにその体感にあるのですが、
それを目指すがゆえにそれから遠ざかってしまうジレンマも
演技を探求する者なら必ずと言っていいほど味わうものです。
そのもどかしさ、
一周回ってスタートラインに戻ってきてしまったような消耗感。
それはどんなに一生懸命やっていても演技と向き合っていると
一定周期でやってくるサイクルです。
その都度振り出しに戻ったような錯覚をするけれど、
実はらせん階段を昇るように
最低限自分に出来る演技力の底値が上がっているはずです。
それを具体的に確認し、
技術が心をカバーしてくれる状態をの確立の為、
毎週レッスン・プランを考えています。