人は時として予期せぬ事態に遭遇し、我を見失う。
平静を装っても、なかなか事の中身を掴めずに狼狽える。
どうやら我々はこの百年に一度な災厄に今暫く付き合う事になりそうだ。
現場であれ稽古場であれ、演じる事から離れてしまう時間は
時に我々を不安に陥れる事がある。
ふと芝居に対する熱量が落ちている事に驚く事がある。
上手くやり過ごせるのなら、それでいい。
しかし、俳優も人の子だ。ひとたび志気がぐらつくと、
やっかいな事になる。まず、立ち直りに時間が掛かる。
だが、考えれば当然とも言える。
元々点数の付かない演技を武器にして、人前に我が身を晒せば、
痛い目に遭ったり傷つくのは当たり前だ。
でもたとえ、己の才能に不安を感じても、絶望に打ちひしがれても
俳優は無心に演じる事がその何倍もの歓びを、
至福の時を我が身にもたらす事を知っている。
だから俳優は辞められない。
迷ったら原点に戻る事だ。
まだ幕は上がってはいない!
演技の喜びを探求する、俳優・声優養成所「ヴォイス&アクターズ道場」