演技の喜びを探求する、俳優・声優養成所「ヴォイス&アクターズ道場」

整合性のための調整(石神貴之)

お久しぶりです。花組の石神貴之です。


先日まで取り組んでいた「うそつき」という戯曲のシーンスタディのレッスンが終了しました。
振り返ってみると二か月弱と、結構期間が短かった事に驚きました。3ヵ月くらいやってた印象が…(笑)。

起承転結で言うと転・結の部分でラストシーン含めて行ったんですが、そのシーンに至るまでの流れ、
状況を踏まえるのはもちろん、それぞれの人物が真実と嘘どちらを話しているのかが台詞だけではわからなかったりと、
しっかり自分で決めた上で臨むことになったので、濃い時間を過ごしたと思います。

示し合わせずにそれぞれが自分の考えで真実と嘘を決めていたので、
演出がついては自分なりに整合性をとるために「じゃあこういう風に気持ちの流れを変えよう」と調整していくのが難しくも面白かったです。
レッスンが全て終わってから「こういうつもりでやっていた」と他の出演者に聞いて驚いたりと、あえて共通の認識を持たないまま共演するのは新鮮でした。

しっかり前のシーンまでの積み重ねを感じながら演じることの大切さを改めて実感することになりました。


暑いですが、お互いポケモンGOのやりすぎの熱中症にご注意を!それではまた!




【祐一からひとこと】
腹の探りあいの内容なので、あえて種明かしや共通の認識を持たないでシーンスタディを進行しました。
各々が実はこれが真実でこう思っている、を抱きながら答え合わせせず台詞の応酬をすることで自然と用意した演技プランを全捨てせねばならない瞬間が生まれ、毎回見ていて大変スリリングでした。
受ける演技だけでなく、各々の抱いた状況に則して相手役を挑発する攻めの演技にもアイディアがあり、立ち稽古早々に見せてくれた登場シーンはじめ、閃きが瞬発芸的でなく整合性を持てたのは互いの演技から情報を読み取ろうとした意識の維持が大きかったと思います。
即興性を持って演技を変えることが出来たのも、台詞の入りが良かったからこそで、「何言うんだっけ」ではなく「どう言ってやろう」に集中のフォーカスが当たっていたテイクは演技を見る喜びも大きかったです。

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