お久しぶりです。
花組の田村です。
今回は、レッスンを受けていて思うことを1つ。
他の人が演技をしてアドバイスを受けているとき、
じぶんの事ではないからと別のことをしている人。
凄く勿体ない。
ここのレッスンは見ている時間より演技をしている時間が多い(と思います)為、
自分も次の準備などで動いていることが多いのですが・・・
それでも自分にではないアドバイスは極力聞くようにしています。
それは、別のタイミングで同じようなアドバイスを受けることが必ずあります。
だから他者のアドバイスを聞いて、自分ならどうするかシミュレーションします。
そうすれば、次はほぼ必ず違うアドバイスをもらうことが出来る筈です。
これは、自分がその場でバリエーションを考えることや、
アドバイス通りに動くことが苦手ということも多分にありますが。
「そういうの得意だから大丈夫」
と思っている人も、そんな状況になりそうな時
「前、こんなアドバイス受けてた人いたな」
と覚えていることで、違うアドバイスをもらうことが出来ます。
講師からすれば
「こいつは大丈夫そうだから、もう少し難しいアドバイスをしてみようか」
となり、自分のスキルが上がります。
また、同じアドバイスをされるという無駄な時間が減ってお芝居をする時間が増えます。
無論、他の人のレベルアップにも繋がります。
全体のレベルが上がれば更に。
そして変化を感じられれば講師のモチベーションも上がるはずです。
この繰り返しがないと
同じアドバイスを繰り返しされ、同じ事を言い続ける講師のモチベーションは下がり、
自分達もレッスンが進まずにモチベーションが下がり・・・
という負のスパイラルが待っています。
どちらが良いかは・・・
詰まるところ、レッスン中は一瞬たりとも気が抜けないということなのです。
自分のやりたいことをするために「今何が必要か」も大事ですが
「いつかの自分のために」も大事にしたいですね。
というお話でした。
【祐一からひとこと】
僕のレッスンは一人ひとりの実演時間が長く、
同じ場面を演技ポイントを変えて何度も繰り返したり、
演技レッスンでは普通あり得ない長い場面、沢山の台詞や段取りを
こなすボリュームがあるので、僅かな休憩出来る時間は
リラックスしてほしくて見稽古の仕方については自主性に任せています。
もちろん演技を見る時こういうポイントにフォーカスすると
こんな風に自分に返ってきて自身の引き出しを増やせるとアドバイスはしています。
逆に見稽古のその方の様子を見ると、
演技のウィークポイントを想像出来ることがあります。
その後演技を見ると当たることが多いし、当たっている内は自分に
演技レッスンを行う資格があるのだと、僕自身のリトマス試験紙になっています。
各々の演技の課題、クセ、長所短所はいつもレアケースでただ概論を振り回したり
理論だけ展開して煙に巻くような抽象的なレッスンはするまいといつも考えています。
アドバイスはいつも具体的にミクロに。
演技表現が細かいことをおざなりにせずミクロにこだわり積み上げることで
「人間」や「世界」というマクロを結果的に感じさせるものである以上、
いつでもこの一つの台詞の置き方、この一つの動作の加減の調整、その積み重ねが
地道な作業だけれど演技上達の一番の近道だと信じています。
結果的な締めの論理は僕の中で揺るがず、
なので同じ着地点の言葉に落ち着くことはありますが、
なぜ今これをこの方に言わなければならないかの
各々のテイクごとの演技からの情報の違いには敏感に
ざっくりした印象ではなく、具体的に活かせる言葉を心がけています。
一瞬も気が抜けないからこそレッスンを担当する自分自身にも
伸びしろを感じられ嬉しくなります。
レッスンを受ける方もそうであってほしいとホワワ~ンとOFFって
休憩しているメンバーにも思っています。
OFFっても必要な時に、自分に思い通りにスイッチを入れてギアをチェンジ出来るように
なってほしいと願いつつ・・・