演技の喜びを探求する、俳優・声優養成所「ヴォイス&アクターズ道場」

役者として生きるために(須賀大輔)

みなさんこんにちは。
星組と月組に参加している須賀大輔です。
今年の4月に初舞台を経て9月に舞台「猫ふんじゃった」に出演させていただきました。
お越し頂いた皆様ありがとうございました。
今回の舞台で感じたことをお伝えしたいと思います。

今回はダンスカンパニーが主催でダンスと芝居が融合した
とても楽しい舞台になりました。
役どころとしては三枚目でボケたり、ツッコミをしたり、
怒ったと思ったらビックリして逃げたりと忙しい役でした。
今回は年上の役者さんが多く、色んな分野で沢山の経験をした人達が多くいました。
そんな中で自分は「できない・わからない」を
絶対に言わないと決めて稽古をしていました。
あれこれ試行錯誤をし、演出家に何を言われても
とりあえず面白く出来なくてもやってみる。
稽古場で何度もスベって、それはなしと言われたら次は違うものをやってみる。
被らないようにするため色んな引き出しを持つことにもなったし、
芝居を良い意味で固めないことで常に新しい発見があったり、
本番まで1週間を切ってやっぱり前にやってたやつで固めてと言われても、
それまでにあれこれ試行錯誤を繰り返したことは決して無駄ではないと感じました。
演出家の言いなりとも違う、もうちょっと違う感覚だったと思います。

演出家の注文に対してまず素直にやってみて(ただやるのではなく
即席でもなんとか演出家の意図を落としこもうとしてやってみる)
それを演出家が客観的に見て、「そうやるのであればこうしたほうがいい。」
と指摘を受け、それが明日までの宿題になる。
休憩中に抜きで稽古をさせていただくことも何度もありました。
こんなことが本番1週間前。いや、小屋入りしても変わっていきました。
祐一さんに「役者は同じ芝居を何度も新鮮にすることが求められる」、
「芝居を変えてと言われた時に何をどのように変えたのか
 自分で把握しておく必要がある」
といつも言われており、その言葉の意味を考える機会になりました。
今回はその引き出しがなかったため、稽古をして徐々に増えていきましたが、
これからはその引き出しを準備してから芝居に活かしていきたいと思います。




【主宰からひとこと】
少人数で、一人あたり長時間実演時間のあるレッスン・スタイルの良いところは、
自分で考えたことを試し、上手くいかない理由を言葉にして改善案を具体的に出し合い、
繰り返し演じ直すことが出来ることだと思います。
ボリュームのある役を、云われるがままのロボットにはならず、
どうしたいのか、その為には何を選択していけば良いのかを
瞬時に自分で選べるようになっていく感覚。
それを磨く為に、何度も安心して失敗出来る環境作りをしています。
現場でそれを実践する機会、気付いたら「やってた」経験をしてくれて大変嬉しいです。
毎回のレッスンで、その方自身からアイディアがでなければ
代替案を次々出していきますが、
自分からアイディアが湧いて来たら僕の案など全捨てしてくれて構いません。
自分で感じ考え演技を変える能力を磨いてほしいからです。

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