演技の喜びを探求する、俳優・声優養成所「ヴォイス&アクターズ道場」

俳優の感性とは(高屋恭平)

今 この世界は一体どうなってしまったのか。何が起きているのか。
世界の為政者、医学者の英知がこの脅威に有効に立ち向かえているとは思えない。
AIも役立だずか。
いつ果てるともわからない不安の中、
最後の頼りは、祈りかもしれない。
エリザベス女王はイースターのメッセージで国民を励ました。
天皇陛下はどんな言葉で私達を励ましてくれるのだろう。
我々の身の回りの日常が少しずつ変質し、壊れ始めている。
それを受け止める感覚が正しく働いていない気がしてならない。
人は心も身体も疲れてくると物事に対してさしたる感情が湧かなくなる。
何を見ても心が動かない。感覚が鈍麻してしまうのだ。

俳優にとって、感性は命だ。これが効かなくなったら引退ではないのか。
喜怒哀楽なんて大雑把過ぎる。喜の中の無数の感情、怒の中の色合いが微妙、
哀楽の精細で小さな気持ちの切れ端をたぐり寄せて
我々は表現の世界に提示しなければならないのだ。
今は自分の中の感性を信じよう。人を愛する気持ちを信じよう。
演じる事をこよなく愛する気持ちは、いざと言う時、我々を救ってくれるはずだ。
誰がなんと言おうと、
我々は俳優である。

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