今 演劇の灯が、消え掛かっている。
多くの演劇人が無念の思いで暫しの退場を余儀なくされている。
我々は時代のうねりに飲み込まれ、
歴史的な目撃者、いや当事者とされてしまったのだ。
この事態は早晩収まっても、その先に見える世界は
今までとは異質な物になるだろう。
演劇の世界はどう変わってしまうのか。
今 我々俳優が出来る事、それは『準備する事』
この一言に尽きるだろう。周到に着実に
積み重ねる事。自暴自棄にならず、楽観に陥らず。
演劇は極論で言えば、身ひとつで表現出来る
芸術だ。そこには大掛かりな道具もきらびやかな照明も無用なのだ
俳優の身体は楽器である。
良く訓練された俳優の肉体は、それだけで躍動的だ。
良く調律された俳優の
発声は、あたかも美しい旋律を奏でる音楽のとも言えるのだ。
俳優は自らの楽器の手入れを怠ってはいけない。
内なる心の響きに感応出来る身体感覚に磨きをかけなければならない。
やらなければならない事は山の様にある。
演技の喜びを探求する、俳優・声優養成所「ヴォイス&アクターズ道場」