今 我々は医療現場で懸命に働く人々やライフラインを支える
市井の人々に守られて生きている。
ところが、今も感染者への中傷や医療従事者への
差別や偏見が止まらない。
感染を恐れる過剰反応は、他者を攻撃する事で
自己を正当化し心の安寧を求めてしまうのだ。
悲しい事だが、今尚こういう言動を見聞きするのは、
相変わらずこの社会から貧困や格差が消えないせいだろう

絶対的にこの社会は性善説では語れない。
道徳的に自ら律して生きる人々の傍らで
悲哀や怒りを抱えて生きる人がいるのだ。
事ほど左様に、人間社会は一筋縄にはいかないものだ。
そして、演劇においてモチーフとされるのは得てして、
こういった類いの人間の生き様だ
本来なら非難されるべき人間を演じるのだから
俳優の人間力が試される。薄っぺらな人間観察では太刀打ち出来ない。
深い洞察力を養う為に
新聞の三面記事を薦めたい。様々な事件の当事者に想いを馳せて
人間の内面を鋭く捉える嗅覚を磨いて欲しい。
浴びるほど小説を読んで欲しい。

俳優修行は人間修行！