演技の喜びを探求する、俳優・声優養成所「ヴォイス&アクターズ道場」

進路(須賀大輔)

みなさんこんにちは。
星組の須賀大輔です。

このコロナ禍でいかがお過ごしでしょうか?
僕はいま大学4年生で周りの友人はこの状況下で就職活動をしています。
僕も去年までは公務員試験、
民間企業の就活の準備をしながら舞台に立ったり、
映像の現場で仕事をしたりしてきましたが、
最終的に役者としての道を進むことを決めました。
けどそれはそれしかなかったのではなく、
他も準備した上で選んだので後悔はないし、覚悟もできました。
大学に入った当初を考えると、
まさかそんな道に進むなんて思ってもいませんでした。
この3年間で感じたのは、ひょんなことからチャンスはやってくる。
それを成功させて次に繋げることのできる
準備をしておくことが大切だということです。

このコロナの影響で舞台が2つとびました。
モチベーションもあがらず、苦しいときもありました。
だが、そんな時に大学で所属しているダンス部の練習で
「ちょっと演劇的な要素を取り入れた
 レッスンみたいなものをやってみてよ。」と、
顧問の先生から言われました。
コンテンポラリーダンスのダンス部なので、
前から芝居の技術も応用できると感じていました。
しかしそれは自分だけの感覚、考え方だと思っていたのですが、
まさかそれを芝居をしたことのないダンサーに教えることが
自分にできるのかと、不安になりました。
道場のレッスンで得たもの、
よそのワークショップを受けて得たもの全てを
頭の中で総動員させてやってみましたが、最初は上手くいきませんでした。
肝心なのはそれをダンスに活かせる技術にすること。
それを相手にわかるように伝えること。
演劇のワークショップをそのままやっても駄目だということでした。
教える側の大変さを身に染みて感じました。
ただ、これも磨けば次に繋がっていくものだと思いました。
本来なら舞台の稽古をしている時期ですが、
中止になってしまったからこそできた経験でもありました。
自分が舞台に立ちたい、映像の仕事に出たいという気持ちの中に、
自分にしかない感覚を相手に伝えることも
仕事にしたいと思うようになりました。
ダンスなんて大学にいる間、
役者としてのスキルアップになればいいやと思っていたものが、
思いもよらない方向に進んでいくのでは?!と感じている今日この頃です。

話がまとまりませんが、
こんな状況でも将来に一筋の光を見出したかもしれない青年のお話でした。
最初からこれしかやらないではなく、
意外なものがきても対応できる準備をしておく。
それが先の未来を予想もしない方向に
向かわせることになるかもしれません。
そんな感覚を楽しみたくて、この道を選んだ気がします。




【主宰からひとこと】
日記を書いてくれたその後、舞台も決まり、
映像の現場も再開して良かったですね。
役作りで、頭を丸坊主にした舞台公演が延期になってしまった時は、
僕もショックでした。
道場で演技レッスンを始めるまで、演技したい気持ちはずっとあっても
経験が全くなかった大輔さんが、
勇気を出してレッスン見学に来た日のことを思い出します。
あの時、髪を金色に染めていた貴方は何かになりたくて、
でも自分でもそれが何か分からなくて
ただ今の自分以外の何者かになりたがっている青年に見えました。
役の為の坊主頭で稽古場に入って来た貴方は
役の人物になろう近づこうともがく一人の俳優で、
照れるその姿を見ているだけで感慨深いものがありました。
何になりたいか見つけた人間は強くなれます。

俳優業は待つことも仕事の内で、
待っている間どう過ごすかが一番大切かもしれません。
今年は新型コロナのせいで皆が辛酸をなめる年になりましたが、
今年の経験を糧にしてお互い前進していきたいですね。
俳優業は楽しいことばかりではないけど、
楽しいことがいっぱいなのは間違いなく保証出来ます。
「スタートラインにようこそ。」と言いたい気持ちでいっぱいです。

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