演技の喜びを探求する、俳優・声優養成所「ヴォイス&アクターズ道場」

これからに向けて(胡桃沙紀)

私は約1年前に初めてお芝居に触れ、
この1年間は今までの人生と違った時が流れていたように感じます。

道場に通う前はオンラインの声優レッスンを受けており、
その中で得た事がたくさんありました。
ですがオンラインレッスンのみでは限度があると感じ、
声優のワークショップを探していました。
当初はお芝居の環境選びをどうすればいいのかわからず、
ワークショップを転々としていくのかなぁと漠然と考えていたのですが、
10月に道場のワークショップに参加した時、
祐一さんの指導が今まで習ってきた先生達とは違い、
「この人のもとでお芝居を学んでいきたい」と思い入所しました。

オンラインは個人レッスンだったので、
自分以外の同じ立ち位置の方々がいる環境に最初は戸惑いながらも、
道場生の皆さんがとても優しく不慣れな私も楽しく学ぶ事ができました。

一コマが4時間30分という長い時間ですが、実際やってみるとあっという間で、
帰りはいつも行ってよかったと、達成感がありました。
最初の頃は1時間以上稽古をした事がなかったので
どうやって帰ったのか記憶がないくらいでした。

道場では、主にシーンスタディとアフレコ練習に分かれていて、
シーンスタディの方では、台本を覚えたことがなかった私にはかなりきつかったです。
昔からずっと、台本を覚えられないから芝居ができないと自分で制限していました。
ですが声優になる以上、自分の芝居に絶対にプラスになる事だと思って取り組みました。
最初はもう何がなんだかわからなくて、無我夢中で台本を覚えました。
やっと台本を覚えたと思ったら、作品が何を伝えたいのか考えなければいけないし、
聞き馴染むように言わなければいけないし、
自然に見えるように動かなければいけないし、
観客席に向かって顔を見せなければいけないし…と、
やってもやっても改善点がみつかるのが悔しくて、楽しかったです。

アフレコ実習では、1つの作品を役者達が作り上げていく工程を体験しました。
自分の芝居プランがマイクワークによってブレる、自分の思っている音が出ない、
拍が合わないなど、まだ改善すべき点があります。
まだ自身に改善点はありますが、
録音を聞いて仲間と作り上げた作品を見るのが好きでした。

そして指導してくれる祐一さんだけでなく、
周りの皆さんから吸収できる事が数多くありました。
同じ役をダブルキャストにする事によって、
自分の芝居プランともう1人の方の芝居プランの違いを体感するのも楽しく、
十人十色とはこのことかと体感しました。

始まる前や休憩、帰りなど、道場生とのお話もためになる事が多く、
道場が行きたい場所になっていました。本当に素敵な方ばかりです。

私はこれからまた新たな挑戦が始まります。
お芝居を始めてから、自分の環境は自分で作り出す事ができると体感しました。
新しい環境に飛び込む事は未知で怖い事ですが、新たな事を知れる楽しみもあります。

祐一さんが仰ってくれていたことですが、
プロである以上「これでいいかな」でお仕事をしたくないと思っています。
自分に厳しく、声優界で生き残っていけるよう努力していきます。

最後になりましたが、祐一さんは本当に素晴らしい指導者です。
相談した際に丁寧に対応してくださったり、
現場でのお話を聞かせてくれたり、プラスになる事ばかりでした。
お休みした時に別のクラスに参加して、
アフレコ練習を参加させていただけたりしました。
振り替えをやってくれたおかげで、一週間を無駄にせずに、
新たにプラスになることを教えて頂きました。

自身の都合上道場を去ることになりましたが、
これからについてのアドバイスや背中を押してくださった祐一さんに感謝しております。
本当にありがとうございました。




【主宰からひとこと】
単発で行っている「声優アフレコ演技ワークショップ」は
通常のレッスンとは違い、1回完結の3時間のワークショップ。
シングルキャストで全員演技しっぱなしとはいえ、
たった3時間では伝えたいこと伝えられることが限られてしまい、
歯痒い思いをすることも多いです。
それでも単発ワークショップへのご参加から
道場の通常レッスンの質とボリュームを理解した上で、
思いきって飛び込んでくれて、こちらとしては嬉しく、
責任も重く感じました。

演技するという初めての冒険。
ここで演技の楽しさを伝えられなければ。こちらもプレッシャーでした。
そして楽しいだけでない、演技をに向き合う時の
感じ方・考え方。演技を変化させたい時に
どんなポイントから試すことで、変化が具体性を持つのか。
楽しいだけでは得るものが少なくなるし、
伝え方を間違えると厳しいだけの指導になってしまう・・・

初回のレッスン、5つの声の変化の要素とそれにより示せる3つの意識のレベルの話しを
嚙み砕いて具体例を多く挙げて説明した途端、
自分の演技を変化させようと、早速次のテイクから試してくれた時の嬉しさ、
今でもはっきり覚えています。
何テイクも演技していけば、一旦は変えられた、出来たと思った部分でも
またトチッてしまったり台詞が飛んだりは、よくあることで仕方ないことです。
それでももう1回、もう1回と演技テイクを重ねる時間的余裕と
その度に、今の演技の何が不本意で、本当はどうしたかったのかの確認と
代替案の提示の繰り返しの中から、
演技の実力は付き、その方の個性が確立されていくと信じて、
少人数長時間、1コマ4時間半演技しっぱなしのレッスンを
毎週受け放題で行っています。

書いてくれた文章が嘘だと云われないレッスンをこれからも実現していきます。

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