ご無沙汰しておりました。
虹組の仲田ナオです。
2015年は道場外で3本ほど、古典劇と語りとで芝居をやらせていただきました。
振り返ればとても密度の濃い一年だったのですが、色々思い知らされた年でもありました。
やるべきことは分かっている。あとはするかしないかだけなのだなぁと。
本番の最中、思いがけず演出家が言っていた指摘の意図が腑に落ちたときがあって、今まで自分が積み重ねてきたものが酷く滑稽なものに思えた瞬間がありました。
こんなものを晒していたのなら申し訳無さすぎる!とそのまま走って逃げたくなったほど。笑
本番という空気が気付かせてくれました。ありがたや。。
その後の出番からはなるべく感じたままに動いてみました。
抗おうとすればするほど苦しさが増す。
見ている観客が空気を感じ取っていく。
すすり泣く声もBGMのように溶け込む。
連鎖していくことの面白さを感じながら、冷静にセリフを紡いでいく自分もいて集中もしているんだなとも思いました。
改めて、私は本番に強いんだということも実感。笑
以前教えていただいていた講師に
『このままじゃ泣けないよ』
と言われたことがあります。
観客だけでなく、私も。
最近は泣けすぎて困るくらい涙もろくなりました。
少しは本物に近づいているのかしら。
某大女優さんのように、涙の量をコントロール出来るようになりたい 笑
面白いなぁと思います。
客前に立つ度に今までの思い込みが覆される。
でもその新しい思考を面白がれないところが勿体無いなぁと最近は常々思っています。
誠実に向き合いながらどこかその状況を客観的に見て面白がる思考。
それがないと作品は窮屈な仕上がりにしかならないと思うので。
高い集中を保って本番を終えられるかと思いきや、
ラストの長台詞を豪快にすっ飛ばして相手役に締めを丸投げするという衝撃のラストを迎えましたが
また必ず現場に帰ってきたいと思います。
長々ありがとうございました。
【祐一からひとこと】
昨年は舞台の機会にも積極的に手を挙げて、それがまた次のステージに
繋がっていること、嬉しく感じています。
「誠実に向き合いながらどこかその状況を客観的に見て面白がる思考。」
その通りだと思います。没頭しながらもコントロールしている自分もいる状態。
バランスは危ういもので、掴まえたと思った瞬間スルリと逃げていくものだけれど、
施行錯誤の繰り返しで留まれる時間は確実に長くなります。
ずっと立ち泳ぎしているからその場に留まっているように見える
水球の選手の動きに似ているなと感じる時が多いです。