演技の喜びを探求する、俳優・声優養成所「ヴォイス&アクターズ道場」

いじめないこと (いのいみーこ)

おはようございます。月組のいのいみーこです。

わからないからこそ、自分の演技を漠然とダメだと判断してしまう。これは自分を自分でいじめている行為だと教わりました。

近年、録音や録画を気軽に出来る機械がたくさんあります。道場では自分の演技を録音、録画して、あとで振り返るという作業を推進しています。

録音や録画をすることによって、より鮮明に自分の演技を振り返れます。
そこで、細かく自分の演技の良かった点、悪かった点をみつけて、どうすればより良くできるのか考えるのが、効率的な反省の仕方だと教わりました。

実際に私は漠然とセンスがないことに悩んでいました。しかし、センスは磨くもの。
この一年間でいつの間にか磨かれていました。
初見の台本で何度か同じ語尾が続くものがありました。それを無意識にすべての語尾の置き方を変えようとしていたみたいで、祐一さんに褒められて初めて気がつきました。

このように今は他人の演技を真似することしかできなかったとしても、それがいつの間にか自分の中に染み付いて、自分のものになっています。
それに気づけて、少しだけ自分を認めることができました。
これからもたくさんの作品に触れて、センスを磨いていきたいです!




【祐一からひとこと】
日記ありがとう。
演技の到達点て、唯一のゴールなどないものだし、
元々上手くなりたくて精進しているのだから、自分には点を辛くしがちだし、またそうあるべきです。
ただ、漠然と振り返ると、やみくもにいたずらに自分をダメだダメだと責めるばかりになってしまい生産性が落ちます。

反省するなら
「あそこでもっとブレスをちゃんと取れば、その後の台詞を一気に言えて感情を爆発させやすくなる、間も生きる。」、
「台詞『〇〇のところを~』の部分、母音が『お』の音が続くから滑舌が悪くなりがち。『ところ』の『と』の音が特に流れやすいから、言い直す意識を持とう。」
など、具体的に具体的に振り返り、そこをピンポイントで直していけば結果、演技全体を良くすることが出来ます。

一生懸命やっているのは間違いないことだし、事実上手くいっているところもいっぱいある!
漠然と全体を反省すると出口の無い袋小路で、ただ自分を責めるだけの時間になってしまう。
上手くいっているところまで一緒くたに自分をいじめないでくださいね。

細部にこだわることで必ず全体像が変わっていきます。
昔より気軽に録音・録画が出来る時代だから活用するのは良いことです。
プリクラの機械普及後、集合写真でシャッターの瞬間、自分だけまばたきしちゃう子が極端に減ったといいます。
機械の発達は一般の人たちの映る意識も変えました。
彼らの芸能に対する要求も確実に上がったんです。
ちょうど、カラオケが普及する前にいた「歌が極端に下手なアイドル」が
今では、少なくともピンでは決してデビュー出来なくなったのと同じです。
便利になった分、観客の要求も高くなる。

自分の良いところは大いに認めて、「もっとこうしたい!」を具体的に持ち続けてくださいね。

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