演技の喜びを探求する、俳優・声優養成所「ヴォイス&アクターズ道場」

オーディションの大小(斎藤謙一)

宙組の斎藤謙一です。
先日映像作品のオーディションに行って来ました。
久しぶりのオーディションだったので、とても楽しくやらせて頂きました。
そこで見つけた課題をいくつか。

一つ目は、自分は普段から【大小の大】【強弱の強】側で演じていることが多いのですが、
これがカメラ前での撮影(もしくはオーディション)だと致命的な問題になっているということです。
よく“大は小を兼ねる”と言いますが、そんな事はあり得ない。
小で表現するには、やはり小を訓練しないと身に付かないのだなと。

二つ目は、設定と文意を読み解いて、クライアント側が何を求めているか探る事。当たり前の作業ですが、今回のケースを紹介しておきます。
【設定】男性間のセクハラ・モラハラ
【台詞の要約】同僚が女性慣れしてない事をバカにしている。
皆さんはどうやって台詞を言いますか? 自分は、最初に述べたように久しぶりのオーディションで舞い上がり、そのままの文意で言いました。

ところが、クライアント側の要求は
《さりげなく言った言葉が、同僚にとってセクハラ・モラハラになっていた》
つまり、文意とは逆の言い方を求められていたわけです。

これが致命的だったのか、自分はオーディションに落ちました。
キャスト数が多かっただけに受かっておきたかった案件ですが、
良い勉強になったと前向きに考えるようにしています。

次に道場日記を書くときには、もっと良い報告が出来るようにしたいです。




【祐一からひとこと】
毎週複数の芸能案件が来ている状況を嬉しく感じています。
みんなもっと積極的に挑戦すれば良いのにと思うこともありますが、
大事なのは受けたいと思ったオーディションに自由に挑戦出来、
安心出来るマネージメント環境の維持。
それぞれの都合や希望を尊重して、あくまで自由意志で
受けたい方はドンドン現場に出していくのが道場の方針です。

オーディションにも自己PRにも「慣れ」は必要で、
どうして慣れていけるかというと沢山失敗すればこそです。
今回のようにオーディションでの演技を具体的に振り返れる、それ自体が成長の証拠で読んで嬉しかったです。
特にオーディションでは気合が入り過ぎたり力み過ぎたりで
「大小」で演りがちな人が多いです。僕自身そうです。
大小の目盛りを自覚し、レッスンで伝えている「人はどんな時、人の声に心動かされるか・・・」
オーディション前は特に思い出すようにしてください。

オーディション対策レッスン、自己PRのブラッシュアップ講座なども
道場では盛んに行っています。
いつか受けたいオーディションが来たらその時自己PRを考えますと言って
その時自分で納得いく自己PRが出来た人に僕は自分がこの業界に身を置いて30年、
一人も会ったことがありません。
チャンスは必ず来るし、突然来るものです。
次のオーディションに向けての準備、
時間外補講レッスンもいくらでもやっていきましょうね!

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